『キミは僕の輝ける星』(創作小説)

キミは、目立たない子でしかなかった。

クラスの中で、浮きも沈みもせず、ただひたすら居続けるだけの存在。

はっきり言って、めちゃくちゃダサかった。

おさげ頭にひざ下スカート、靴下も、校則通りの超基準。

名前も目立たず、『鈴木律子』

勉強ができるわけでもないのに真面目で、運動音痴。

おまけに口癖は、『ごめんなさい』


どん引きだ。


逆に俺はというと。

まぁ、自分で言うのもあれだが、帰宅部ではあるが、

勉強はできるし、運動神経も悪くはない。

顔は良いほう。

当然、モテル。

だが、総じて人生、いいことばかりではないようで。

僕はキミ…鈴木律子と図書委員をすることになってしまった。


最悪だと思った。

何のための帰宅部だ。遊ぶためだ。

大好きなゲームを、バイトしてまで買って、家でやってて、何が悪い!

(悪くなんかないはずだ!)


「高坂くんは、どんな本を入れたいですか?」

「…へ…?」

はじめて声をかけられた。

学校に入れる推薦図書の話らしい。

「…いや。自分は、本何て読まないし」

「え。じゃぁ、普段は何をして楽しむのでしょう?」

「は?」

(……頭が弱いのかこいつは?)

「読書をしないなんて時間がもったいないです!」

どうやら、本以外の愉しみを知らないらしい。

「俺はゲーム派なの!本なんて読まないの!」

「・・・・・・」

スズキは一念発起した面持ちでこう言った。

「じゃぁ、図書委員は、きっかけになるかもしれません!本好きへの道の!」


それから、スズキの本攻撃が始まった。

「この本は割とゲームッぽい書き方がされていて面白いんですよ」

「これは、英語の絵本です。翻訳版と合わせて読めば勉強にもなります!」

「こんなに泣ける本を、私は他に知りません!」


スズキは俺に何を求めてるんだ……?

1か月も経つ頃には、もうゲームをする時間はとれないほどの本が、

スズキから課されていた。

律義に読む俺も俺だが。

貸す方だって、本が汚れるとか、気にしないのかな…。

なるべく丁寧に本をめくる。

活字には確かに不思議な魅力があった。

今まで知らなかった知識が身に着いた俺は、

ますますテストの点数が上がり続けて。

それを見たスズキも嬉しそうで。

だから俺は今日もスズキに本を借りる。



「お前ら最近仲がいいよなぁ」

冷やかしは、やはりあった。

「スズキは俺の専属の図書館なんだ」

自慢げに言う俺に対し、みんなは一歩下がったところで、

うやむやな表情を作る。

そんなみんなとはスズキは違った。

スズキは嘘をつかない。活字に嘘がつけないように、

スズキも嘘がつけない。

真実だけを告げる。

だからこれも真実なのだろう。

「私、引っ越すことになったの」

「学校も転向するんだ」

「本、返さなくってもいいよ。私はもう読んでるから」

(だって…。じゃぁ、俺はこれからどの本を読んだらいいんだ?)


「スズキ」

「何?高坂くん」

「俺はこの先、何を読んだらいい?」

俺はだめだ。ダメダメだ。

何一つ考えられない。本を自分で選ぶこともしてこなかった。

「高坂くんが、自分で考えればいいことだよ」

だから。それじゃぁ、だめなんだ!

「感想は?誰に話せばいいんだよ。途中でやめんなよ」

「…ごめんなさい……でももう、無理だよ」

正直、腹が立った。

「謝るなよ。誇れよ。むしろ俺を怒れ!」

「…なんで?」

「スズキのことだせぇ奴って思ってた!撤回だ!」

「…… !」


雪が舞う校庭の真ん中で、俺がスズキに泣きついた。

「好きだ」

「すきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだすきだ!きみがすきだ!」



スズキはふと笑う。

「本の読みすぎじゃない?」

「責任とってくれよな」

(ズズズズズーッ)

鼻水の音が鳴り響く。

…恰好わりぃ…。



スズキはその三日後に転向していった。

本は今も手元に残っている。









(トゥルルルルルル トゥルルルルルル)



「あ。スズキ?昨日読み終わった本の主人公がさぁ」

昨日も今日も明日も明後日も。


(君は僕の輝ける星

<Happy End>








こんな感じの少女漫画を投稿し続けた過去……(笑)

決して黒歴史ではない!と言いたい…。




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この記事へのコメント

望月 倫
2011年01月06日 18:50
黒くなんかないですよー!
何お言ってるんですか!
少女マンガ最高です!

創作もいいですね
マンガでも読みたくなります
木村琴梨
2011年01月07日 12:22
そ…そう言ってもらえるとうれしいです
少女漫画、いいですよね!

創作、大丈夫ですか?
じゃぁ、どんどん書こうかしら。
ところでこの小説、ケータイで読むと、
告白シーンがすごいことに(笑)vvvvv

でもケータイ、修理に出さなきゃ。
チョコっと、壊れた。。。がーん。

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